空前の人手不足が問題に

戦後から高度経済成長期、そしてバブル経済期と、日本では長く公共工事がGDPの成長に大きく寄与してきた側面があります。欧米先進国に比べインフラの整備が遅れていたこともありますが、土木建築関連工事が景気を刺激する効果があったことも事実です。公共工事の場合、雇用を通して地方経済に資する割合が高いことも、安易に拡大の道を選ばせた原因だと言えるでしょう。しかし、バブル経済が崩壊し、国の財政赤字が膨らむ一方になり、公共工事が大幅に削減される事態になりました。このことが、全国の土木建築分野の労働者を大きく減少させる結果に結びついたのです。

しかし、最近、再び拡大が見られるようになりました。東北地方の震災復興関連工事、東京五輪関連工事、都心部の再開発計画の推進、全国的に進む耐震化工事などが同時に進められているためです。しかし、いったん減少した作業員は一朝一夕には集まりません。特に、熟練工が求められる現場は深刻な状況となっています。折からの円高で輸入資材の高騰、そして人手不足による工賃の上昇が相まって、公共工事入札の多くで入札者が現れないケースや、予定金額で収まらない工事が続出しています。また、労働力不足による倒産が発生したり、工期遅れとなっている現場は日本中にあふれています。

これに、最近の景気回復基調が後押しし、土木建築分野への労働力の参入がさらに難しくなりました。現在、海外からの技能実習生の活用や、外国人単純労働者の制限付き就業許可が議論されています。しかし、単純労働者の外国人採用は日本社会の拒否反応も根強く、議論は中々進んでいません。短期的なビジョンだけでなく、長期的な視点からも、この問題の真剣な議論と早い解決案の策定が求められています。